村上正邦の不惜身命その134

 ・南シナ海での米中緊張関係の発生、辺野古新基地の本格着工、日中韓首脳会談、南京事件のユネスコ世界記憶遺産登録問題、旭化成建材の偽装杭打ち工事……等など。
 今、我が国の内外で、国会で論議、対処すべき緊急事態が起きています。
安倍総理はしかし、不祥事を抱えた閣僚を登用した内閣改造人事を追求されることを恐れ、表向き外交日程を理由に臨時国会召集を忌避しています

安倍総理! 野党の攻撃から身をかわそうと、逃げてはなりません。

安倍総理、こうした緊急事態が起きている時こそ臨時国会を召集し、国民を巻き込んだ国家的論議を行うべきではないのですか。

ありがとうございます。

 今年も早や11月を迎えました。霜月です。北海道では初雪が降り、各地では冬支度も始まっているようです。皆さま、如何お過ごしでしょうか。
 私たち自身の身の回りも、年末に向かって慌ただしくなってきましたが、我が国の内外でも見過ごしにできない緊急事態が起きています。
 我が国にとって由々しき事態に発展する可能性があり、注視してゆかねばならないと、私は感じています。

 

・日中韓3ヶ国首脳会談の開催について

 11月1日、ソウルで3年半ぶりに日中韓首脳会談が行われました。安倍総理は終了後の共同記者会見で「3カ国による協力プロセスを正常化させたことは大きな成果だ」と述べましたが、懸案の歴史認識問題で日本と中韓両国間の溝は埋まらないままでした。韓国との間では従軍慰安婦問題が、中国との間では南京事件が大きな問題として残されたままです。懸案事項はまだまだ山積していますが、「歴史を直視」し、「未来志向」で、今後の諸課題に対処するため、今後3カ国首脳会議を年1回定例化する事で合意したことは評価していいと思います。

 日韓首脳会談では、朴大統領が慰安婦問題に関し、「被害者が受け入れることができ、国民が納得できる」解決を図り、年内にも妥結すべきだと主張し、一方、安倍総理は譲らず、両者が「早期妥結」との表現で落ち着いたとのことです。
 
 まだまだ両首脳の態度にはぎこちないところがありましたが、胸襟を開き、率直簡明な話し合いこそが、両国の間に横たわる難問を解決できるのです。
かつて剣聖宮本武蔵が「心正しからずんば、剣また正しからず」と喝破しています。安倍首相が「心正しい」一言で、朴大統領の心胆を射竦めるような堂々の発言を期待していますが、残念ながらまだ実現していません。
 政治家の発言は、時に政敵の心魂をも揺り動かす衝撃をもたらします。理想と夢、そして大義のために、政治家は常に心胆を練る必要があると、私は思います。

 さて、ここまで書いてきたとき、残念なニュースが飛び込んできました。11月2日の国連の軍縮委員会で、世界の指導者に、広島・長崎など被爆地へ訪問を促すことを盛り込んだ核兵器廃絶決議案が賛成多数で可決されました。この決議案は日本が主導して提出されましたが、中国が被爆地訪問と関係のない歴史問題に言及し、激しい対日批判を繰り広げたのです。
 ソウルで3年半ぶりの日中韓首脳会談が行われた直後のことであり、私には中国の真の狙いは理解できません。日中、および日韓の間に存在する歴史認識問題が実に根深く、解決困難な問題であることを、改めて痛感させられました。
 先述したように、政治指導者は周辺諸国との解決困難な問題に直面したとき、理想と夢、そして大義に思いを寄せ、自ら心胆を練って、初めて解決の端緒を掴むことができるのだと信じます。

 

・南シナ海で米中間に走る緊張

 先月末、南シナ海では米中対決の緊張が走りました。
 先月末、米海軍は横須賀を母港とするイージス駆逐艦ラッセンを、中国が建設を進める南シナ海の人工島周辺12カイリ内に派遣、航行させる「航行の自由作戦」に踏み切りました。中国軍はこれを艦船で追尾し、緊迫した事態になったようですが、幸いなことに軍事的な衝突にはいたっていません。
 中国はこれまで周辺諸国の抗議を無視して、スプラトリー(南沙諸島)の岩礁を埋め立て、「ここは中国の主権が及ぶ」と主張して、軍事拠点化を進めてきました。これはまさに「力による現状変更」の典型です。
 公海は人類共通の財産です。「開かれた自由で平和な海」の存在が、我が国のみならず、世界の平和と繁栄の基礎になってきたのです。中国には強く自制を促す必要があると考えます。
 米国側には、南シナ海での対中抑止に日本も加わるべきだとの期待があるようです。
 しかし、米国の要請があった場合、南シナ海に自衛隊を派遣するべきなのか、十分な国民的な議論が必要不可欠です。米海軍の「航行の自由作戦」後に記者会見した菅義偉官房長官は、日米共同パトロール構想について「そうした作戦に参加する計画はない」と述べています。

 万が一、南シナ海で米中の武力衝突が発生し、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」などの要件を満たせば、政府は「重要影響事態」に認定し、米軍への後方支援が可能になります。安倍総理は先の国会での議論で、南シナ海も重要影響事態の認定範囲に含まれると答弁しており、自衛隊幹部も「東シナ海で米国に助けてもらうためにも、南シナ海で無理をしても、米国を 支援すべきではないか」と考えているようです。
 先の国会で安保関連法案が審議された際に、与野党ともにこうした事態が起こすことを想定していたでしょうか。衆参とも政府与党が十分な審議を尽さぬまま、強引に安保法案を成立させました。

 私はこのブログで、安倍政権が提出した安保関連法案は戦後の我が国の安全保障政策を根本から変えるものだから、まずは憲法を改正してからにすべきだと、繰り返し訴えてきました。憲法違反の疑いさえあり、交戦規定も十分に整備されていない自衛隊を派遣することは、必ず後世に禍根を残すことになると、私は危惧しています。
 国会での議論は当然のことながら、国民が十分に納得することが、自衛隊派遣の前提です。敗戦後70年間に亘って、米国の庇護下にあって、自らの頭で考え、自らの足で立つことを怠ってきた70年間のツケが今日の事態を招いていると思います。

 安倍総理! 臨時国会を召集し、徹底した国家的議論をすべきです。

 

・辺野古新基地の本格着工は、安倍内閣の沖縄への宣戦布告だ!

 安倍政権は10月29日、米軍普天間基地の移設計画を進めるため、辺野古沿岸部の埋め立ての本格工事に着手しました。
 菅官房長官はこの日、訪問先のグアムで「自然な形で、今日から工事を再開させてもらった」と述べましたが、一方、翁長沖縄県知事は「沖縄の人々の気持ちに寄り添うと言いながら、そのような意志はみじんも感じられない」と政府の対応を厳しく批判しました。

 沖縄県民は、2014年の名護市長選、県知事選、衆議院選で、いずれも辺野古移設反対派が圧倒的に勝利し、民意は明らかです。沖縄は普天間基地の辺野古移転に一貫して「ノー」の意思表示を続けているのです。安倍総理はこの事実をしっかりと踏まえなければなりません。
 新聞報道によれば、安倍総理は2013年2月の訪米時に、オバマ大統領から「沖縄県に埋め立て申請の提出をして欲しい」と、辺野古移転を早急に進めるよう直接迫られたとのことです。

 本来なら、安倍政権はまず沖縄と基地負担軽減に真摯な協議を重ね、沖縄県民が納得する方向を模索すべきではないでしょうか。沖縄との真摯な協議を踏まえた上で米国に対する交渉を行うべきです。安部政権は米国の代理人ではないのです。米国の指示通りに、辺野古新基地建設ありきを沖縄に押し付けるのでは、到底沖縄県民は納得しないでしょう。

 私はこう考えるのです。
 今回の沖縄県民の民意を徹底して無視した、辺野古新基地の本格着工は「安倍政権の沖縄への宣戦布告である」と。
 沖縄は先の大戦で県民の4人に1人、10万人が犠牲になりました。
 昭和20年6月、大田実海軍中将は沖縄戦の末期、玉砕寸前の海軍の沖縄根拠地隊司令部から最後の電報を海軍次官宛に打っています。
「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後生特別ノゴ高配ヲ賜ランコトヲ」。
 私たちはこの言葉を忘れてはなりません。

 私は今春、翁長知事に書簡を送りました。その中で私は、米軍基地を沖縄にだけ押し付けてはならぬ、辺野古新基地反対のための国民大集会を東京で開催しようと呼びかけました。残念なことに、まだ翁長知事からの返事はありませんが、私の考えは全く変わっていません。
 戦後70年間、我が国は未だ米国の植民地なのか、と嘆息するこの頃です。
 独立自尊の精神の再興こそ、いま我が国に求められていると思います。

 安倍総理! 臨時国会を召集し、徹底した国家的議論をすべきです。

 

・「南京事件」真相解明に「南京問題プロジェクトチーム」を作れ!

 南京事件に関しては、以前にブログに書きましたが、中国が一方的に主張する「30万人虐殺」という嘘が「世界記憶遺産」登録されてしまったことは、由々しき事態です。中国はこの問題を実に長期間に亘って、国家戦略として取り組んできました。この間、我が国政府は拱手傍観、何等の対抗策も打てず、中国にしてやられてしまったのです。政府、なかんずく外務省の大失態です。
 彼らは「30万人虐殺」と、ありもしない数字を挙げ、嘘を世界記録遺産に登録させました。しかし、わが国は昭和12年12月に南京で何が起きたのかを、これまで全く検証してきませんでした。この際、政府は「南京問題プロジェクトチーム」を作り、あらゆる資料を収集、分析して、政府見解を明らかにすべきではないでしょうか。このまま、「30万人虐殺」が喧伝されてはたまったものではありません。先の大戦で亡くなられた英霊にも、後世の人々にも顔向けできません。

 ・偽装杭打ち工事は、旭化成建材だけではない!

 横浜市都筑区にある大規模マンションが傾き、杭打ちを請け負った「旭化成建材」が杜撰な施工をしていた問題の波紋が広がっています。横浜だけではなく、北海道釧路市の道営住宅や横浜市内の公共施設の工事でも、施工デー他の改竄が行われていたことが発覚しました。
土台がしっかりしていなければ、建物が傾くのは必定です。傾かない迄も大きな地震に見舞われたら大きな被害を招きかねません。いのちが失われてからでは遅いのです。
 こうした杜撰な工事は決して旭化成建材だけではないと、残念ながら私は思います。国や地方公共団体の工事でも、同様の杜撰な工事が行われているだろうことは、容易に予想できます。全国にある源発建設に当たっても、旭化成建材と同様の虚偽・杜撰工事が行われた可能性があると、私は考えています。

 

 ・原発建設でも欠陥工事が行われている!

 数年前、私は鹿児島県にある九州電力の川内原発建設で重大な欠陥工事が行われたとの話を聞きました。建設を請け負った大手ゼネコンの下請け会社が、余った大量の鉄骨を原子炉建設の下に穴を掘って埋めたということです。最初は信じることが出来ませんでした。10年ほど前に、読売新聞がこの欠陥工事を報じました。九州電力も大手ゼネコンも事実無根としてこれを否定しました。しかし、3年前に鹿児島県議会の原子力安全委員会で或る議員が「川内原発工事の担当者が手抜き工事を行ったとの話があるが、どうなのか」と質問した途端、委員会は紛糾、議事が中断したことがあると聞いたことがあります。結局、委員長に一任され、この発言そのものは議事録から削除されたとのことです。
 このように原発に関る国民の疑念は一向に払拭されません。

 4年半前、東日本大震災が東北地方を襲い、福島第一原発が大津波の被害を受けて全電源喪失から、メルトダウンを起しました。放射能による汚染はまだまだ続いており、先月、岡山大学の疫学担当の教授が、福島県における18歳以下の甲状腺ガンが他の地方に比べて20倍から50倍発生しているという研究結果を発表しました。

 この福島原発1号炉であるGE製のマークⅠもまた欠陥原子炉だったことは、既に明らかになっています。マークⅠの設計に携わったGEの技術者デール・ブライデンホーは「マークⅠは地震や津波などの大きな災害で冷却機能を喪失すると、格納容器に想定されていた以上の負荷がかかり、破裂する可能性がある」と指摘しているのです。

 安倍政権は原発再稼動を急いでいますが、全国にある原発で虚偽・杜撰工事が行われ、欠陥原子炉もあるのではないか、と私は睨んでいます。
最初に再稼動されたのは、鹿児島県にある九州電力の川内原発です。実はこの川内原発1号炉には重大な欠陥があるのです。
政府は国民の不安に応えるべく、情報を開示すべきだと思うのです。

 

 ・見えぬけれどもあるんだよ    金子みすずの詩

 ここまで偽装・杜撰工事のことを書いてきて、私はふと読んでいた金子みすずの詩を思い出しました。金子みすずは明治38年、山口県に生まれた薄幸の詩人です。西条八十に「蒼き童謡詩人の巨星」と賞賛された人ですが、残念なことに26歳でその生涯を閉じてしまいました。
 私が思い出したのは「星とたんぽぽ」と題された詩です。


青いお空のそこふかく
海の小石のそのように
夜がくるまでしずんでる
昼のお星はめにみえぬ

見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでもあるんだよ

ちってすがれたたんぽぽの
かわらのすきにだァまって
春のくるまでかくれてる
つよいその根はめにみえぬ

見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでもあるんだよ

 何の脈絡もないのですが、旭化成建材の偽装・杜撰工事に対する私の怒りを綴っているうちに、何故か、「見えぬけれどもあるんだよ」と詠った、この貧しい薄幸の詩人の金子みすずの詩が浮かんできたのです。
 明治・大正・昭和という激しく揺れ動いた時代、彼女のような真剣に人生を生き抜いた人々が大勢いたのです。そして今日の日本の礎を築いてきました。そうした方々への感謝の思いがごまかしや手抜き工事は許しません。

 敗戦後70年、日本は先輩たちの刻苦勉励で豊かになりました。私が生まれ、青春を過した時代と比べると、目をみはるばかりです。しかし、現代の日本はその豊かさに胡座をかき、儲かればいい、少しくらい不正をしても構わない、発覚しなければいい、という低劣な人間や組織が増えてはいないでしょうか。
 先人が涙と汗と、時には血を流して築き上げてきた日本が傾いてしまう、そんな危惧をもちます。
 今回の事件は、単に偽装建築の問題に止まらず、現代に生きる私たちに対する警鐘ととらえ、清々しい日本を取り戻すきっかけにしなければいけないのではないか。そのように思えてならないのです。

   秋巡る家族の絆嫁来る

   生業を壊すか秋の訪れを

   秘められた土の香りや秋の暮れ

   秋深く渓谷流れ清く澄み

                 婚外子の遺産相続に伴う夫婦別姓について詠む

 歴史あり先手(さきて)となりて紅葉燃ゆ

里深く濃紅葉映え鳥一羽

                亀井静香先生お誕生日に贈る

合掌

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村上正邦の不惜身命その134 への1件のフィードバック

  1. 松尾章史 のコメント:

    真っ直ぐな人という印象だが、戦略・戦術という点でまんまと村山政権に騙された自らの愚を安倍政権にも冒せというのでしょうか?
    相手が同じ土俵に立つ村上正邦さんのような真っ直ぐな人ばかりならいいのにね。

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