村上正邦の不惜身命その154

● 国民の皆様へ! 天皇陛下の思いに、真摯に耳を傾けよ!

 
 ありがとうございます

 去る八月八日、天皇陛下が自らの思いをテレビを通じて吐露されました。私はこの陛下のお言葉を「心と魂の叫び」だと受け止めました。

 この天皇のお言葉が報じられて以降、生前譲位を求めるべきか否か、各方面の有識者の議論が活発に行われているようです。

 こうした中、数日前から、新聞が「生前退位で特措法 皇室典範に付則追加」と報じています。記事によれば、政府は識者から幅広い意見を聴取し、陛下の「生前退位」を特措法制定によって可能にする検討を始めたとのことです。私はこの報道に強い違和感を覚えました。

 仮に譲位継承を実現するとすれば、皇室典範の改正が必要不可欠です。現在の天皇陛下に限って例外的に認めるという特措法の考え方は、皇室の基本的な枠組みを恣意的に変えることにつながります。

 陛下は先に述べられたお言葉の中で、「これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」とお述べになっておられます。

 つまり、陛下は皇統をしっかりと次世代につないでゆくことを自らの最大の使命とお考えになっておられる、と私は思います。単に、高齢になったから、仕事が辛くなったと仰っておられるのではないのです。陛下は皇太子だけでなく、孫の世代の悠仁さまや、さらにその先々まで見据えておられるのです。
 
 安倍総理は、ことが大きくなれば念願の憲法改正が困難になると危惧し、特措法の制定で早期決着を図ろうと考えたのかも知れませんが、それは間違いです。

 特措法でその場凌ぎの対応をすべきではありません。それは、陛下のお心をないがしろにするものだ、と私は考えます。陛下のお言葉を真剣に、そして真摯に受け止めるべきです。

 この問題について、「不惜身命その152」のブログで私の考え方を披歴しました。

 陛下は先月のお言葉の中でこう仰ったのです。

 「私はこれまで天皇の務めとして、何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが、同時に事にあたっては、時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました」

 このお言葉をお聞きして、天皇は五穀豊穣と国家国民の安寧と幸せのために祈る、祭祀王としての本来のお務めに戻っていただくことこそが大切なのだと確信しました。
 
 歴史を振り返れば、明治維新まで天皇は祭祀王としてのご存在でした。しかし、近代化の過程で、明治維新後は薩長藩閥政府によって大元帥に祭り上げられ、薩長政権に利用されました。敗戦後は米国の日本支配に資するため、シンボル・象徴に仕立て上げられました。

 再度申し上げますが、天皇は明治維新期には薩長藩閥政府に、敗戦後は米国にそれぞれ利用されたといって過言ではないと思います。

 私は陛下の「心と魂の叫び」を真摯に受け止め、明治以来の異形な天皇の姿を本来あるべき姿に戻すことこそが、大切なことであると考えるのです。

 では、どうすればよいのか。日本国の成り立ちを振り返れば結論は自ずから出てくると思うのです。

   

倭は  国のまほろば
たたなずく  青垣
山隠れる  倭しうるはし  
         
                日本武尊

               
 現世の権力の象徴たる皇居である江戸城から、日本武尊が「国のまほろば」と詠った大和の地へお戻りになり、「国民の安寧と幸せを祈ること」に専念していただきたいと切に思っております。

 特措法などという姑息な手段で、事を処理しようと考えてはなりません。
 我が日本国が、本来の日本国を取り戻せるか否か、世界に冠たる永遠の日本国天皇、国家の一大事が問われているのだと私は考えます。
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 ● 安倍総理よ! 北方領土問題で、功を焦り、大局を見失うべからず

 今月2日、安倍総理はロシアのプーチン大統領と日露首脳会談を行いました。
 新聞各紙は「領土問題 交渉加速を確認」、「首相 領土交渉に道筋」など、北方領土交渉が一気に進むかのような、楽観的な見出しで報じました。
 
 しかし、新聞やテレビが楽観的に報じたように、北方領土問題は解決に向って一気に加速するでしょうか。安倍総理の北方領土問題にかける熱意を評価するにやぶさかではありませんが、私は決して楽観できないと思っています。ロシアに経済協力をするだけで、北方領土問題は進展しない、つまり「食い逃げ」される可能性が濃厚だと考えます。

 今回の首脳会談が行われた時期と場所を考えれば、実はロシア側の思惑が透けて見えてきます。
 会談の行われた九月二日は七十一年前に我が国が「ポツダム宣言」、つまり第二次大戦の降伏文書に調印した日でした。つまり、プーチン大統領が「この日は大日本帝国が滅びた日。日本は敗戦国なのですよ!」と、暗黙の意思表示をしたと考えるべきでしょう。
 
 また、首脳会談が行われたウラジオストクは、遥か十七世紀のピョートル大帝時代に遡りますが、ピョートル大帝がここを征服した将軍ムラビヨフに命じて「東方を支配する」という意味で付けられた都市名です。実に意味深長と言わざるを得ませんね。

 本来、首脳会談は両国の首脳が互いに行き来するのが大原則ですが、安倍総理はこの原則に反して、五回連続でロシアを訪問しています。今年五月、ソチで行われた日ロ首脳会談で安倍総理は「新しいアプローチ」と称して、八項目の経済協力を申し出ています。しかも、今回の会談直前に、このロシアとの経済分野での協力を押しすすめるための担当大臣を新設し、世耕経済産業大臣に兼務させました。安倍総理が余りにも前のめりになっているとの印象を免れません。
 
 さて、肝心の北方領土問題ですが、今年は、平和条約締結後に歯舞・色丹二島を日本側に引き渡すと明記した一九五六年の日ソ共同宣言から六十年になります。

 プーチン大統領は日本が森喜朗総理時代に五十六年宣言に基づく解決、つまり二島先行返還を提案したにもかかわらず、その後また四島の一括返還を要求するようになったと繰り返し批判しています。

 事実として確認すべきことは、我が国は鳩山政権時代の五十六年宣言において、二島先行返還で平和条約を締結することに合意しているということです。この五十六年宣言の直後、米国から強烈な横槍が入りました。当時のダレス国務長官が「日本が国後・択捉をソ連に帰属させたら、米国は沖縄を併合する」と、日本政府を脅しました。

 いわゆる「ダレスの恫喝」です。その後、日本政府は二島先行返還論を捨て、四島即時一括返還論に趣旨替えします。以来、歴代政権はこの四島即時一括返還論の立場を変えていません。この四島一括返還の主張を維持し続ければ、北方領土の返還は実現しないと私は思います。

 プーチン大統領は会談直前に「領土交渉と経済協力は切り離す。平和条約は重要だが、経済協力と交換に領土の“売り渡し”はしない」と明確に発言しています。またロシアの有力誌は「安倍総理が大統領を山口県の私邸に招いても、領土問題は親密な個人関係では解決されない。日本は四島のロシアの主権を認める以外にない」と強く主張しているのです。

 経済協力を餌に北方領土を取り戻そうと考えるのは、無理筋というものではないでしょうか。
 北方領土問題は戦後の歴史的経緯を振り返ってみれば、米国とロシア(ソ連)の問題でもあります。米国は日本とロシアが対立状況にあることが、国益なのです。ハッキリ言えば、米国は日本がロシアと対立することを望んでいるのです。

 つまり、北方領土問題は日本とロシア両国だけで解決できる二国間問題ではなく、米国をも含めた多国間問題だと考えなければならないのです。

 安倍総理がプーチン大統領を山口県に招待すると合意した十二月十五日は、米国大統領選直後です。大統領選直後は米国が権力の真空状態にあり、安倍総理がこの隙間を狙ったものとも言えます。米国は一連の日露首脳会談を苦々しく思っていることは明らかです。

 閑話休題

 実は私自身も、十二月の山口県における日露首脳会談を苦々しく思っています。首脳会談は「公」の仕事の最たるものであり、自分の選挙区である山口で行うなど、噴飯物です。
 外交交渉を「私」すべきではありません。

 振り返って考えてみれば、安倍総理の出身地である長州は明治維新後、政治を、なかんずく帝国陸軍を壟断してきました。維新の立役者の一人であった山県有朋は長州出身で足軽以下の身分でしたが、元帥陸軍大将に登りつめ元老として君臨しました。その山県は帝国陸軍を私物化し、長州出身者でなければ人に非ずとばかりに、陸軍幹部を長州出身者で固めました。その弊害が陸軍軍閥の跋扈で、その結果が我が国を無謀な戦争に駆り立てた一因であったとも言えます。

 政治家にとって、政治の「私物化」は最も戒めるべきことです。安倍総理には是非ともこの点をしっかりと心に留めていただきたい。

 実に残念なことですが、私たちは日本が敗戦国であり、現在も米国の庇護下にある、つまり我が国は米国の従属国であるという冷厳なる事実を認めなければなりません。

 昭和二十七年、サンフランシスコ平和条約で我が国は一応独立を回復しました。しかし、実態は敗戦直後と同様、米国という超大国の庇護のもと、経済活動にのみ専念してきました。

 そこには日本の国益を踏まえた独自の外交・安全保障政策は不要でした。憲法も歴史観も米国製という異常な状態が続き、いまもその延長線上にあるのです。

 現在、我が国が抱える北方領土、尖閣諸島、竹島の領土問題にも、当然ながら、米国の思惑、世界戦略が深く関わっています。その歴史的な事実をしっかりと踏まえる必要があります。

 二国間関係だけでは、決して解決することはできないのです。

 私は安倍総理に申し上げたい。
「功を焦り、大局を見失ってはならない」と。

 いま我が国が為すべきことは、敗戦で喪失してしまった独立自尊の精神を取り戻し、真の独立を達成し、日本を甦らせることだと私は思います。
               
                
 感謝合掌

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