村上正邦の不惜身命その147

● 安倍総理、逃げてばかりの国会だったのではないですか!

 ありがとうございます。

 通常国会が、150日間の会期を終え、6月1日に閉会しました。私は、参議院に長く籍を置いた者として、国会が、国家と国民のために働いているのかどうか、常に強い関心をもって見守っています。

 今年の通常国会について私見を述べるとすれば、残念ですが、「落第国会だった」と言わざるを得ません。そしてその責任は、最大与党の総裁である安倍晋三総理にあると断言せざるを得ません。国民の代表である国会議員が、国家と国民のために十分な論議を尽くすことなく、それに伴う必然の結果として、法律の成立も少なかったからです。

 先ず私が俎上に載せたいのは、環太平洋連携協定(TPP)の批准問題です。
安倍総理はTPPを景気回復の切り札と称し、TPPの全容を明らかにするもせずに、今国会での批准を至上命題にしていました。そもそも、安倍政権は「T PP断固反対!」を公約にしていたにもかかわらず、政権獲得後、僅か3カ月余で「TPP推進」に舵を切った“いわくつき”の代物です。
 
 TPP交渉の当事者であった甘利明経済再生担当大臣がURの斡旋利得罪の疑いがあるとのことで辞任、その後、「睡眠障害」と称して雲隠れし、重要な論点は国会で明らかにされることはありませんでした。しかも、合意された協定の重要部分は極秘扱いで、今に至るも、国会はもちろん国民に明らかにされません。

 しかも、私が疑念を持つのは、甘利前大臣の斡旋利得罪容疑に関し、会期末直前になって「不起訴処分」の決定が下されたことです。国会終了直前に不起訴決定が下りても、国会では甘利氏を真相究明のために召喚することは事実上不可能です。余りにも政治的な決定だと言わざるを得ません。一部週刊誌は、甘利氏は最近ひっそりと資金集めのパーティーを都内某ホテルで開催していたと報じています。ダブル選挙を想定しての資金集めだったと想像しますが、国会での説明責任を果たさず、パーティーとは、開いた口が塞がりません。厚顔無恥もここまで来たかと慨嘆するばかりです。

 さて、TPP批准問題に戻しましょう。

 安倍政権は何故か、批准を早々に諦め、秋の臨時国会へ先送りしてしまいました。米国大統領予備選挙で、民主・共和両党の有力候補者がTPPに反対しており、日本だけが急いで批准する必然性がなくなったのでしょう。

 安倍政権がTPP批准を先送りした背景に、米国の事情の変化があるとすれば、TPPの本質が図らずも明らかになったと言うべきでしょう。

 つまり、TPPはそもそも日本の国益になるものではなく、米国の巨大資本の利益のために、米政権からの強い圧力があった、だからこそ安倍政権が選挙公約を弊履の如く捨て去って、TPP推進に変身した。しかし、米国の事情が大きく変化した、だから国会後半になって、TPPの批准を先送りしたのです。
 
 結局、このTPP批准問題で明らかになったのは、安倍政権は従来にも増して、米国追従、対米従属の度合いを強めているということです。

 安倍政権は「美しい国を作る」と言って、国民の期待を背負って登場しましたが、実はその正体は対米従属政権であることが明らかになったのです。

 安倍政権の本質を露わにする事件が起きました。
 
 過般の沖縄における元海兵隊員による残酷、卑劣極まりない少女暴行殺害事件です。早速、在日米軍の責任者が丁重に謝罪し、事件再発を防ぐため綱紀粛正を徹底すると発表しました。これに対し、安倍政権は日米地位協定の改定を強く米国に迫りませんでした。実はこの日米地位協定が重要なのです。

 日米地位協定とは一体何か。
 
 この協定の本質を一言で言えば、米国が敗戦後の占領期と同じように、日本に米軍を配備し続けるための取り決めなのです。日米地位協定第9条2項にはこう記されています。

「合衆国軍隊の構成員は旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される。合衆国軍隊の構成員及び軍属ならびにそれらの家族は、外国人の登録及び管理に関する日本国の法令の適用から除外される」
 
 つまり、米国軍の軍人・軍属・その家族には、日本国の法令は及ばないのです。治外法権だということなのです。
 だからこそ、米国はこの協定が発効後、一切改定に応じてこなかったのです。これを改定しない限り、今後も同種の残酷な事件が起きることは確実です。

 安倍総理が独立国日本の総理ならば、オバマ大統領との首脳会談で、日米地位協定の改定を断固主張すべきでした。結局は同協定の運用上の問題として処理してしまったのです。日本が米国の事実上の属国であることを世界に明らかにしたも同然です。

 在日米軍のほぼ75%が、あの狭い沖縄に集中しています。戦争末期の昭和20年4月から6月23日まで、沖縄で激しい戦闘が行われ、ひめゆり部隊の少女たちや鉄血勤皇隊の少年たちを含め20万人余の沖縄の人々が犠牲になりました。

 その沖縄がいまも駐留米軍の桎梏下にあるという現状を、私たちは放置してはならないのです。この現状を一日も早く変えなければなりません。

 安倍総理が独立国日本の総理ならば、断乎たる決意を示し、日米地位協定の改定に取り組まねばならない、私はそう強く訴えたいのです。

 いつまでも沖縄に犠牲を強い続けてはならない、私は強く思います。そして敗戦時の海軍の責任者大田実中将の最期の電文を想い起すのです。

「沖縄県民斯く戦えり 後世特別の御高配を賜らんことを」

 
 次に消費税増税問題です。

 安倍総理は、国会会期末の1日夕、記者会見で消費税増税の先送りを発表しました。これは実におかしい。

 私は増税先送りの是非について申しているのではありません。会期末にこれほどの重要事を発表して、国会審議から逃げたことに憤っているのです。

 会期末の記者会見で突如として「消費税増税の2年半先送り」を発表しましたが、この通常国会中、安倍総理は「リーマンショック級のような世界的出来事が起こらない限り、消費税は予定通り10%に増税をします」と答弁し続けました。にも拘らず、通常国会の最終日の記者会見で、前言を翻して、「増税先送り」を表明する。こうした姑息なことが許されるでしょうか。

 国民を欺き、国会を欺き、与党幹部を欺き、果てには内閣のメンバーである閣僚すら欺いたのです。端的に言えば、安倍総理は国会で「嘘」を言い続けてきたのです。

 安倍総理は5月26日の伊勢志摩におけるサミットに向け、極秘裏に側近の官僚に命じて、各国首脳に配布する「参考データ」を作成しました。A4判4枚のペーパーに世界的な経済指標を例示し、リーマンショックと同程度のリスク要因があると印象付ける内容だったと新聞が報じています。閣僚や自民党幹部にも秘密で、増税先送りの準備を進めたのです。

 極論すれば、独裁者の騙し討ちの手法だと言って過言ではありません。

 安倍総理は同日の記者会見で、「税の問題は民主主義の根幹にかかわる問題だ」と述べました。その通り、税は国民に負担していただくものです。その国民に正当に選挙されたのが衆参両院議員なのです。

 安倍総理が「税は民主主義の根幹にかかわる問題」と言うならば、国民の代表者たる国会議員に先送りの理由を堂々と披歴し、公然たる議論に付すべきではないですか。

 苦言を呈したいことはまだあります。

 選挙制度改革をめぐっては、小選挙区定数の「0増6減」をはかる改正衆院選挙制度改革関連法こそ成立しましたが、これはあくまで小手先の改革にすぎず、国民が望んで止まない抜本的改革は行われませんでした。参議院の選挙制度改革も一向に進んでいません。

 国防は国家の重大事でありますが、野党が提出した安全保障関連法廃止法案は、与党が拒んだことによって審議が行われず、継続扱いになりました。安倍総理と与党が、昨年成立させた安保関連法に自信を持っているなら、野党の廃止法案を堂々と審議して、論破すべきでしたが、安倍総理は言論戦の場から逃げたのです。

 「政治の劣化、ここに窮まれり」と言わざるを得ません。

● 都議会は責任をもって、舛添都知事を辞任させるべし

 国会が閉幕した1日、今度は都議会が始まりました。

 舛添要一東京都知事をめぐって、政治資金の私的流用、それもあまりにもせこい流用問題や、都民の理解が得られるはずもない、まるで大名旅行のような外遊などが大問題になっています。都民の大多数が、舛添さんの説明は足りないと感じ、多くの都民が辞任を求めています。

 私も、舛添知事は潔く身を引くべきです。彼の言い訳は本当に見苦しい。勉強がとてもできる方のようですが、小賢しい言い訳に都民、国民は辟易していることがなぜ分からないのでしょうか。

舛添知事は勉強はよくしても、人の心を学んでこなかったに違いない。彼をちやほやしてきた周りの人間にも責任はあるでしょうが、いちばん悪いのはもちろん本人です。

 舛添知事は都議会初日、「多大なるご迷惑をおかけした。すべて私の不徳の致すところ」と謝罪しました。けれども、彼が本心から言っているとは思えません。本当に申し訳ないという心があれば、もっと早く、謝罪する機会はいくらでもありました。個々の疑惑に対する説明も一切なかったようです。「調査は第三者に依頼した」と言明しましたが、本人が依頼した人物は「第三者」とは言いません。歳費についても「半分は寄付します」という位の気持ちがなければ駄目です。

 やはり舛添さんは、知事の座にいる資格はありません。一日も早く自ら身を処すべきです。

 都議会議員の皆さんに申し上げたい。都民は、そして国民は、皆さんがこの議会でどのように動くかを注視しています。あなた方に議席を与え、歳費を給しているのは舛添知事ではありません。都民なのです。 

 そこを十分にわきまえて、舛添知事に身を引くように迫っていただきたい。それもできないようでは、舛添知事とともに都議会議員の皆さんにも失格の烙印が、都民によって押されるでしょう。

合掌

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