村上正邦の不惜身命その146

 ● オバマ米大統領の広島訪問
 ● 沖縄における元海兵隊員による少女暴行殺人事件

 ありがとうございます。

 先進国の首脳が集う伊勢志摩サミットが、無事終わりました。伊勢神宮が坐(ましま)す清らかな地で、世界の課題の解決を語り合う会議が、滞りなく進んだことは、本当に良かったと思います。「日本は神国なり」との思いを強くしているところです。

 サミットを終えたオバマ米大統領は五月二十七日、被爆地広島を訪問しました。大東亜戦争の最末期、敗色濃厚になった我が国がポツダム宣言を受諾すべきか、否か、苦悩する中、米国は広島・長崎に原爆を投下しました。人類史上、初めての原爆投下。この結果、無辜の民20数万人が一瞬にして命を奪われました。

 その広島を米国の現職大統領が初めて訪問しました。オバマ大統領は就任直後の7年前、プラハで演説して、「核のない世界を作る!」と高らかに宣言し、ノーベル平和賞を受賞したことは私たちの記憶に新しいところです。

 今回の広島訪問で、オバマ大統領は平和記念資料館を訪ね、「私たちは戦争の苦しみを経験しました。共に、平和を広め、核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」と芳名録に記帳しました。

 私は原爆慰霊碑の前で行われたオバマ大統領の演説を聞き、彼の心の中に「プラハ演説の精神・志は生きている」と感じました。一部には、大統領は謝罪すべきだという根強い意見もあったようですが、オバマ大統領が献花し、黙祷する姿をテレビ中継で見て、原爆で犠牲になった人たちを追悼する真情がよく伝わってきました。私は、「これでよかったのだ」と感じました。「謝罪がないのはけしからん!」など、ケチなことは言うべきではありません。

 大統領自身が「生きているうちに実現しないかもしれないが・・・」と述べておられたように、現実の国際政治を見れば、一朝一夕に核のない世界を作ることは不可能です。ひたすら、あらゆる場面を通じて、核なき世界の実現に力を尽くすことが現実政治家の務めではないでしょうか。

 産経新聞の二十八日付のオバマ氏の広島訪問に関する社説の中で、昭和天皇の「終戦の詔書」を引用して原爆投下を論じていました。
詔書にはこうあります。

「敵は新(あらた)に残虐なる爆弾を使用して、頻(しきり)に無辜を殺傷し、惨害(さんがい)の及ぶ所、真に測るべからざるに至る。而(しか)も尚(なお)交戦を継続せむか、終(つい)に我が民族の滅亡を招来するのみならず、延(ひい)て人類の文明をも破却(はきゃく)すべし」と。

 核兵器を初めて開発し、実際に核兵器を使用したのは、米国です。当時のトルーマン大統領は日本が黄色人種・非白人であるが故に、原爆投下を決断した、との話を聞いたことがあります。真偽の程は分かりませんが、いずれにしろ、原爆を投下し、無辜の民を殺傷した米国の業はまことに深いものがあると思います。

 71年前の敵国同士がいまや、最大最強の同盟国となっている事実。世界の歴史を振り返ると、有為転変、無常とすら思える国際政治場裏で、様々な思惑をもった各国が国家の生存をかけて凌ぎを削っています。こうした中で、核なき世界を作ることは至難の業であろうと思います。

 こうした中で、オバマ大統領は、「核兵器なき世界」の理念を掲げ、ノーベル平和賞を受けた政治家でもあります。地球上から核兵器をなくす努力を続けなければならないとするオバマ大統領は、原爆投下を正当視し、広島訪問は謝罪に通じることから行くべきではないという米国内の反対論を押し切っての広島訪問を、私は多としたいと思います。

 オバマ氏の祈りは、広島の犠牲者のみならず、長崎へも向けられていたのは明らかですが、できることなら、オバマ大統領でなくていいですから、将来の米国大統領が長崎の地を訪問することも期待したいと思います。
 日本と米国が手を携えて、核兵器の削減や不拡散に取り組んでいってほしい。ただし、それには、日本の周りの物騒な国々の核兵器から、日本人を守る手立てをしっかりと講じながら進めていってほしいと思います。

 私事になりますが、私の長男・正典が10年ほど前に、TVドラマ「はだしのゲン」を演出し、フジテレビで放映されたことがあります。
 原作者は中沢啓治さんで、自分自身が小学校時代に広島での被爆体験をもとにして描いた漫画です。主人公中岡ゲンが、戦中戦後の激動の時代を必死に生き抜こうとする姿を描いたもので、40年以上前に『週刊少年ジャンプ』に連載されました。余りにも左翼的な内容に、一部からは批判の声もあるようです。
 私は長男のTVドラマを観たのですが、原爆の悲惨さをまざまざと感じ、TVの前で涙を流したものでした。
改めて、「核のない世界」の実現が夢想に終わることのないよう、祈らざるを得ません。

 ● 日米両首脳は、沖縄への思いやりも示してほしい

 
 オバマ大統領は今回、広島を訪問し、「核なき世界」を実現する姿勢はしめしました。しかし、日米間にはそれにも増して、重要かつ、緊急の課題があります。それは沖縄に集中する米軍基地の問題です。
 
 最近、沖縄・嘉手納基地に勤務する元海兵隊員が少女に暴行し、殺害するという非道極まりない、言語道断の事件が発生しました。私は「ああ、またか!」と天を仰ぎました。

 沖縄で、米兵や米軍関係者によって不幸な事件が起こされるたび、日米両政府は、善処善処で乗り切ろうとしてきました。日米地位協定の「運用改善」は図られても、改定にまで踏み込もうとはしていません。伊勢志摩サミット前日の日米首脳会談でも、沖縄問題については、今までと同じ構図が繰り返されただけでした。残念でなりません。

 普天間基地の辺野古移転問題に関しても、翁長知事に対する、あたかも米国の代弁者の如き言動はいただけません。沖縄は我が日本の一部であって、断じて米国の属地ではないのです。安倍総理は、日本政府の最高責任者として、国民の生命を守るという最重要な責務があります。米国に言うべきことは言い、要求すべきことは要求せねばなりません。

 私は、敗戦時、海軍守備隊の責任者であった大田実中将の最後の電文を忘れることができません。 

「沖縄県民斯く戦えり。県民に対し、後世特別の御高配を賜らんことを。」

 私たちは、この大田中将の言葉を胸に刻み込むべきだと思います。

合掌

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