村上正邦の不惜身命その142

● 政治の要諦は「強きを挫き、弱きを助ける」こと、
  そして大眼目は「生命の尊重」である。
● 子供の命を救うため、母体保護法を改正せよ! 
  これこそ、少子化対策の根本である!

 
 ありがとうございます。

 立春が過ぎ、暦の上では春到来です。
 しかし、今年は気候も大変動、突然、初夏を思わせる陽気になったかと思えば、翌日は一転真冬に逆転し東京でも雪がチラつきました。
 今年は年初早々、北朝鮮の水爆実験やミサイル発射、イラン・サウジの国交断絶、大量の難民流出など世界を揺るがす大事件が頻発しましたが、我が国も同様、厳しい年を象徴するかのような状況が現出しています。
 安倍政権が掲げたデフレからの脱却もままならず、年初から経済指標は右肩下がりで、ついに日銀はマイナス金利に踏み切りましたが、結果は株価の低落、急激な円高。アベノミクスの破綻を象徴するかのような状況です。
 
 新年早々から通常国会が召集され、現在衆院予算員会を舞台に論戦が続いています。しかし、国会は残念ながら、国民生活に直結する問題を真摯に論議することなく、甘利大臣の金銭授受疑惑、宮崎議員の不倫疑惑に伴う議員辞職など、うんざりするような議論ばかりです。
 国会に身をおいた者として、実に慨嘆に堪えません。
 
 さて、私は今日のブログで、「政治の要諦は生命の尊重」であるということを訴えたいと思います。

 安倍政権は昨年末にアベノミクス「新三本の矢」を発表し、その柱の一つに、「希望出生率一・八」を政策目標として掲げました。
 この「一・八」という数字は、結婚や出産を考えている人を対象に調査し、はじき出したそうです。日本国の人口を現状のまま維持するには出生率「二・一」が必要ですから、「一・八」が実現しても、人口減少は止まりません。
 
 しかし、問題の本質は別のところにあるのです。
 人口減少に歯止めをかけるという政策目標以前に、政治が「生命の尊重」という国家の大方針を明確にすることこそが必要なのです。

 現在、日本では人工中絶によって、一日に二千人もの命が失われています。この事実を知っている人はまずおられないでしょう。厚労省の発表した二〇一三年の人工中絶の数は約二十万人を超えています。
 
 しかし、専門家に言わせれば、申告せず、闇から闇へ葬り去られている生命は、この公式統計の三倍から五倍はあるとの事です。つまり、日本では人工中絶によって毎日二千人以上の生命が失われているのです。
 国家として実に恥ずべきことであり、我が国は各国から「堕胎天国」と蔑まされています。

 母体保護法では、経済的な理由での人工中絶を認める条文が入っています。この条文によって、この世に生を享けた数限りない胎児の命が、闇から闇に葬られてきました。敗戦後の混乱期には何と年間五百万もの命が人工中絶によって失われました。近年は経済的理由ではない理由によっても夥しい数の中絶が行われています。
 
 つまり、我が国は「生命を尊重」する国ではない、ということです。これこそが、現代日本の抱える国家的大問題であるということを、私は声を大にして訴えたい。そして、母体保護法を改正して、経済的理由で認めてきた人工中絶をなくすべきなのです。
 我が国が「生命を尊重」する国に生まれ変わりさえすれば、結果として、危機が叫ばれる少子化による人口減少を克服できる道が啓けると確信しています。

 私は政治家を志し、生長の家の谷口雅春先生に師事しましたが、この時、私は二つの使命を果たそうと心に誓いました。
 それは、憲法改正と優生保護法(現在は母体保護法と名称が変更された)改正です。

 私は昭和五十五年の衆参ダブル選挙に出馬、初当選しましたが、この時、恩師谷口雅春先生から「優生保護法改正の先駆となれ!聖使命の松明を掲げて進め!」との御使命をいただきました。その時、谷口先生から戴いた御手紙を額に入れて、今も事務所に掲げています。以下に記します。

  住之大神宣り給ふ 
  汝はわが愛する御子
  われ汝に使命を授く
  往きこと年間三百万人の胎児を救ふべきぞ
  かくて日本人の業浄まらん
  然るとき天岩戸開かれ 
  天照大神の御霊出御せられて
  日本国の実相あらはれん

 
 谷口先生は当初から、優生保護法の核心をズバリと衝かれ「中絶は一種の殺人行為である。法律はこれを許しても、神の世界では決して許されない」と断じておられたのです。

 初当選から二年後、参院予算委で優生保護法改正について、当時の鈴木善幸総理に質問したのをはじめ、自民党内でも積極的に優生保護法改正の気運を作るべく遮二無二活動しました。しかし、野党ではなく、政権与党であった自民党内での強烈な反対にあったのです。自民党の最大の圧力団体である武見太郎氏が率いる日本医師会が優生保護法改正に強く反対していたからです。
 参院自民党幹事長のとき、代表質問で優生保護法改正を訴えようとしましたが、この時も結局党内の反対にあい、代表質問で取り上げることが出来ませんでした。いま思い出しても、悔しく、残念で仕方ありません。

 こうして私が優生保護法改正に取り組んでいた頃、米国に招待を受けました。北米大陸を寒波が襲い、雪が降頻っていた時です。
 ワシントン広場で二十万人余の大群衆が参加した大集会で、私は日本において毎年夥しい数の命が人工中絶によって失われている実情を話し、優生保護法を是非とも改正せねばならぬことを訴えました。その後、集まった人々とともに市街を行進したことを、つい昨日のことのように思い出します。
 
 こうして、在職中、私はこの使命を果たすべく全力を尽くしたものの、実現には至らなかったことは実に残念なことです。
 いま振り返って、実に忸怩たる思いです。

 当時、マザー・テレサは「人工中絶は暴力だ。日本は人口中絶の天国になっている。心の貧困だ」と嘆きました。日本には「生命尊重」の精神が欠如していることを厳しく批判したのです。当時、羽田空港に降り立った外国人から、「羽田には水子の霊が見える」と言われたことすらあります。
 数年前、「フィナンシャル・タイムス」は、ヨーロッパでは人工中絶が医者のビジネスになっていることを取り上げ、「人工中絶は悲しいビジネスだ。世の中は中絶を許しながら、道徳的に非難している。女性の心は深く傷ついている」と報じました。
 
 厚生労働省が今年元日付けで発表したところによると、昨年一年間の日本の出生数は百万八千人で、五年ぶりに増加に転じたそうです。一昨年に比べて四千人増だったのは喜ばしいことですが、人口の減少は九年連続で続いています。 いつの時代であっても、子孫の繁栄が、生きる人々の願いだったはずなのに、これはどうしたことでしょうか。ほんとうに解せないところです。

 私は、昭和五十七年三月十五日の参議院予算委員会で質問に立ちました。今でもはっきりと覚えています。議員になって僅か二年目の新人議員が予算委員会で党を代表して質問することは、当時考えられないことでした。
 先輩議員からは「10年早い!」と揶揄されましたが、私はどうしても優生保護法改正問題を国会で堂々と議論したかったのです。
 
 その時の議事録から一部引用します。

〇村上正邦君 総理初め閣僚の皆様に、ぜひ聞いていただきたい歌がございます。お手元にその歌詞を配りますからお聞きいただきたいと思います。

 ママ! ママ!
 ボクは 生まれそこねた子供です
 おいしいお乳も知らず
 暖かい胸も知らず
 ひとりぼっちで捨てられた
 人になれない子供です
 ママ! ママ!
 ボクの声は 届いているの
 ここはとても寒いの
 ひとりでとても怖いの
 ママのそばに行きたい
 ボクは 生まれそこねた子供です

これはその一節でございますが、総理、どのような御感想をお持ちになられましたか、お聞かせいただきたいと思います。

〇国務大臣(鈴木善幸君) 生命の重さと申しますか、特に、幼い生命についての切々たる叫び、そういうものを私はこの詩から感じるわけでございまして、生命の尊厳というものを大事に考えなければならないと、こういう感じでございます。

(中略)

〇村上正邦君 いずれにしてもこの経済的理由というのは、これは各医師に次官通達で生活扶助を受けている者と、こう出ているわけでありますが、毎年のこの届け出数の件数から見ましても、そしてまた実際、届け出数というのは届け出数でありまして、先ほど私が言いましたように二倍から三倍、これはもう公然の秘密でございますから、その点これは年間二百万から三百万と、こう言われるわけでありますね。その中の二六%にいたしましても、そんなに多くの人たちが生活扶助を受けているということにはならないと思いますね。ですから、実際この経済的理由という、またこの経済的理由という文言がこの中に入った優生保護法ができましてから三十四年たつわけでありますが、終戦直後のあの住むに家がない、食うに食がないという、こういうときにできた法律であり、そのときに入れた文言なんですね。これは、まあ参議院から衆議院へとこの文言を入れるについてはいろいろあった、その経緯は議事録を見ますとありますけれども、いずれにしても三十四年前の生活条件といまではもう相当の変化があるわけですから、やはりさらに厚生大臣、くどいようになりますが、このやっぱり経済的理由という、これは先ほど言いましたように、人道上からも道徳的からも教育上からも、これはもう経済的理由ということは削除していいんじゃないだろうかと。ただ検討してみますということではなくして、もう少し踏み込んでいただいて、このことにつきまして厚生省は態度を明確に願えないかと。たびたび私が言っておりますように、この経済的理由ということ、これはもう世界的にも日本は通用しない文言だと思いますので、このことをお願いを申し上げます。
 そこで総理、生命尊重のことについては基本的なお考えはお聞きいたしました。私は私なりに、一体私という生命がただ偶然この世に生を受けたのではなくして、私の尊敬する父と母の深い縁によって結ばれて、そしてその父母によって生まれてきたわけでありますね。そして、その私の父にも母にもそれぞれ父と母がある。そしてまた、そのおじいちゃん、おばあちゃんにも、また、ひいおじいちゃん、おばあちゃんと、こうあるわけでありますが、そうしたことの命の神秘さといいましょうか尊厳さといいましょうか、そういうものをちょっと数の上でわかりやすくメモしてまいりましたので、閣僚の皆さん、お目通しいただければありがたいと思います。そして、生命尊重の意義ということにつきまして、やはりこれはおなかの中にあるわれわれの――法律的に言えば自然人と、こう言うわけでありますが、この自然人の直線線上にある、母親の胎内にあるこの命のもとを大切にしなきゃならぬということをしっかり御認識いただければありがたいと思います。

 長くなった引用を終えますが、この問題は今もなんら改まっていない。国会に席を置いた者の一人として申し訳なく、残念でなりません。
しかし、私は、母体保護法改正の問題を、命のある限り、叫び続けていきたいと思います。

 参議院予算委員会で質問に立った翌月、ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサさんが来日し、「中絶は平和を破壊します。中絶法と戦ってください」と訴えました。私は今もこのことを思い出されます。

 安倍総理や政府・与党の諸君、そして野党の諸君、有識者の諸君、そして国民の皆さん。物言わぬ、最もか弱き胎児のことを考えてほしい。そして、日本を真の「生命の尊重」をする国へ生まれ変わらせてほしいのです。日本の国は、若々しい力に満ちた姿を取り戻すことにもなりましょう。
 この問題はまた取り上げたいと思います。

合掌

< 第5回 三月十一日東日本大震災「祈りの日」式典開催のお知らせ>

来る三月十一日「第五回 三月十一日 東日本大震災『祈りの日』式典」を開催いたします。
東日本大震災で被災された多くの方々に哀悼とご冥福の祈りを捧げます。
多くの皆様のご出席を心よりお待ち申し上げます。

第五回 三月十一日東日本大震災「祈りの日」式典

主催 躍進日本!春風の会
日時 平成二十八年三月十一日
場所 憲政記念館 ホール

<式次第>

第一部  第五回 三月十一日東日本大震災「祈りの日」式典

午後二時〇〇分 入場開始
  二時十五分 開会
        国歌斉唱  宇野美香子(国歌奉唱歌手)
        主催者挨拶  村上正邦(躍進日本!春風の会代表・元自民党参議院議員会長)
        実行委員長挨拶  南丘喜八郎(躍進日本!春風の会幹事・月刊日本主幹)
        総括報告  山本峯章(大会総括・政治評論家)
  二時四五分 避難呼びかけアナウンス
    四六分 黙祷
    四七分 朗読「稲村の火」(読み・宇野美香子)・(馬頭琴演奏・センジャー)
        被災地代表の挨拶 井出寿一(元福島県川内村復興対策課長)
        国会議員代表挨拶 今村雅弘(衆議院東日本大震災復興特別委員長)
        来賓の紹介
  三時三〇分 閉会
 
第二部 被災地復興ドキュメンタリー映画上映
「サンマとカタール」 ~ 女川つながる人々 ~

午後三時三〇分 開会
        挨拶 鈴木静雄(女川町復興支援ネットワーク会長)
        カタール国王子 
        女川町代表者
        益田祐美子(総合プロデューサー)

        映画「サンマとカタール」上映会(ダイジェスト版)
午後四時三〇分 閉会

三月十一日東日本大震災『祈りの日』式典実行委員会

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